君影草がひっそりと咲いた

10時頃からは雨脚を感じさせるように壁に当たる雨の音が大きい強い雨に変わった。
じりが漂う朝のうちに、私が路地植えしたトマトに、風よけのための支柱をたてた。
本来は無支柱栽培なのだが、隣家との間を吹き抜ける風が、所謂、ビル風のように強い風となったので、トマトの茎が折れるのを防ぐため行った。
腰を屈めての支柱たての仕事中、トマトの圃場の近くの池のほうを見ると、そのほとりに育っている、のむらもみじとツツジとの間に、君影草(スズラン)がひっそりと咲いていた。
君影草は、その花言葉である「幸せが再び訪れる」の通り、毎年、私ども老夫婦に、大きな幸せと言う甘い美味しさと、少しの苦労と言う苦い隠し味とを齎してくれている。
君影草の繁殖地は、本州の中部以北から関東・東北・北海道にかけての狭い地域だ。
繁殖地の関係から、君影草はスズランの別名ではあるが、あまり、その名が広まっていないのは、とても残念だ。
君影草は、NHKが発行した誕生日の花暦では5月1日生まれの人の花になっていた。
その名の由来は、自分の大きな葉の陰に隠れながらも、自らは涼しげな白い小花を、咲かせてくれる花と言うことだ。
君影草に関する詩歌は殆ど無いので、歌謡曲で扱った君影草の歌詞をご披露する。
題名 君影草 ~すずらん~
作詞:水木かおる 作曲:弦哲也 歌:川中美幸
歌詞(一番のみ)
白い小鈴を ふるように 君影草の花が咲く どうして人は 別れてゆくの しあわせくれた あの人が 私を泣かす 北の国
君影草の歌は、2009年の11月の同日に、作詞・作曲・歌が、同じメンバーが作った二輪草とともに、同時にリリースされたが、ヒットしたのは、二輪草だけとなり、君影草の曲は、名前の由来と同様に、二輪草の歌の陰に隠れ、あまり、広まらなかった。